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Chapter 245

    プランタン商会との話し合いを終えて、城に戻って数日後のことだった。


    ヴィルフリート兄様の部屋で午後の授業を受けている途中で、扉の外の護衛騎士に呼ばれたアンゲリカが一度部屋から出て行き、すぐに戻ってきてリヒャルダとオズヴァルトに何やら告げた。


    「ヴィルフリート坊ちゃま、ローゼマイン姫様。アウブ?エーレンフェストがお戻りになるそうです。お出迎えに参りましょう」


    「父上と母上が戻ってくるのか!?」


    ヴィルフリート兄様の弾んだ声が聞こえた直後、わたしは怖い笑みを浮かべたリヒャルダに読んでいた歴史の本を取り上げられた。


    「お勉強はお出迎えの後です。参りますよ、姫様」


    「はい」


    わたしとヴィルフリート兄様はリヒャルダに急かされて転移陣のある部屋へと向かう。見張りをしている騎士に扉を開けてもらい、中に入った。


    わたし達が到着すると、間もなくカッと転移陣が光り始める。複雑な魔法陣が浮かび上がったかと思った次の瞬間には、お父様と養父様と養母様が転移陣の上にいた。


    すぐさまヴィルフリート兄様が「おかえりなさいませ、父上、母上」と駆け寄っていく。


    「ただいま戻りました、ヴィルフリート、ローゼマイン。二人とも、お役目はきちんと果たせたかしら?」


    「もちろんです、母上。毎日きちんと魔力供給をしました。そうだな、ローゼマイン?」


    「おかえりなさいませ、養父様、養母様。ヴィルフリート兄様は毎日慣れない魔力供給を頑張っていらっしゃいましたよ」


    「そう。偉いわ、二人とも。母として誇りに思います」


    ニコリと優しい微笑を浮かべながら、養母様が歩き出す。この後、文官達が順次帰還してくるため、転移陣の敷かれた部屋から早目に出た方が良いそうだ。


    母親に色々と報告したいヴィルフリート兄様に場所を譲って、わたしは軽く肩を回しているお父様のところへと近付いた。


    「やはりエーレンフェストに戻ると落ち着くな」


    「おかえりなさいませ、お父様」


    領主夫妻の護衛騎士として共に行動していたお父様に声をかければ、お父様は軽く目を見張った後、「元気そうで何よりだ、ローゼマイン」と柔らかく目を細めて、わたしを見下ろす。


    「変わりはないか?」


    「はい」


    お父様と会話していると、養父様がぷすっといきなり頬を突いてきた。疲れ切っているのか、顔色があまり良くなくて、目が死んでいる。


    「な、何ですか?」


    首を傾げたけれど、養父様の表情は変わらない。ぷすぷすと頬をしつこく突かれて、わたしは要求を悟った。


    「ぷ、ぷひっ?」


    「……其方のせいだ」


    「はい?」


    頬を突くのは止まったけれど、今度は一体何を要求されているのだろうか。全くわからない。目を瞬きながら養父様を見上げていると、ピシッと人差し指で軽く額を弾かれた。


    「いたっ!」


    「神殿に関することで話がある。5の鐘が鳴ったら執務室に来い」


    「……わかりました」


    ジンジンと痛む額を撫でながら領主夫妻と別れ、わたしとヴィルフリート兄様は授業の続きに戻った。5の鐘が鳴るまでは授業の続きだ。


    本の続きを読んでいる間に5の鐘が鳴った。


    「ローゼマインは父上とお話か。私は母上と弟妹とお茶の約束をしているのだ」


    ヴィルフリート兄様は久し振りに親が戻ってきたことが本当に嬉しいようで、鐘が鳴ると同時に勉強道具を片付け、弾むような足取りで本館の弟妹達が過ごしている部屋へと向かって駆け出した。


    わたしは養父様との約束があるので、本館にある養父様の執務室へとレッサーバスで向かう。最近ではレッサーバスを見慣れてきたのか、驚いた顔をする者は少ない。


    「アウブ?エーレンフェスト、ローゼマイン様がいらっしゃいました」


    「通せ」


    わたしが部屋に入ると、執務室で持ち帰った書類などを整理している文官とお茶の準備をしている側仕えが見えた。


    わたしに席を勧めると、養父様は護衛騎士であるお父様以外を人払いする。


    「後で呼ぶまで、しばらく控えていろ。ここに残るのはカルステッドだけでよい」


    「かしこまりました」


    波が引くように仕事の手を止めた文官やお茶の支度していた側仕え達が退室していった。


    全員がいなくなって、完全に足音も聞こえなくなると、養父様はゆっくりと息を吐く。それと同時に、文官がいた時は多少領主らしい威厳を出していた姿が完全になくなり、テーブルにでろんと顔を伏せてしまった。


    「ローゼマインのせいだ」


    身内だけに見せる姿なのだろうが、意味不明で対応と反応に困る。何がわたしのせいなのか、さっぱりわからない。


    わたしがお父様に助けを求めて視線を向けると、お父様は「色々と大変だったんだ」と軽く肩を竦めた。


    「あの、養父様。神殿に関係するお話とは何でしょうか?」


    わたしが質問すると、顔だけをこちらに向けて、恨みがましい表情になった養父様が深緑の瞳でじっとりと見つめてきた。


    「其方、叔父上が亡くなったことを姉上に知らせたそうだな」


    「……何のことをおっしゃっているのか、全くわかりません」


    「心当たりがないと言うのか?」


    ない。


    けれど、じろりとわたしを睨む養父様は、何やら確信を持っているようだ。わたしは養父様の言葉からわかるところを考えていく。


    「えーと、叔父上はわかります。前神殿長で間違いないですよね? でも、姉上がわかりません。確か、養母様のお兄様、西のフレーベルタークの領主に嫁いだ方がいらっしゃいましたよね。その方ですか?」


    「違う。それは二番目の姉で、今回話をしているのは一番上の姉上だ」


    養父様はパタパタと手を振りながら、「エーレンフェストの南側、アーレンスバッハに嫁いだ姉上だ」と説明を加える。知らんがな。


    わたしの反応があまりにも鈍いせいだろうか、養父様はむくりと体を起こし、苛立たしそうにテーブルの上を指先でトトントトンと叩き始めた。


    「神殿から連絡が来た、と姉上がおっしゃった。冬に叔父上が亡くなったことを知らせた覚えはないか?」


    「周辺から問い合わせがあれば、神殿長が亡くなったことはお知らせしていたので、いくつもあった問い合わせの一つでしょうね。どれがその方のかなんて……あ、もしかしたら、あの魔術具のお手紙でしょうか!? お返事を書いたら鳥になって飛んでいく、すごくビックリしたお手紙がありました」


    奉納式の時に鳥になって飛んでいった魔術具の手紙があったことを思い出すと、「それだ!」と養父様がビシッとわたしを指差した。やっと話が通じた、と言わんばかりに顔を輝かせた直後、がっくりと肩を落とす。


    「……そうか。其方は姉上を知らなかったのだな。姉上は叔父上にとても可愛がられていて、嫁いでからもずっと交流があったらしい。それなのに、一年近くも死亡を知らされないのはひどい、と領主会議の間、散々なじられたのだ」


    養父様がげっそりと疲れているのは、その姉上にチクチクと嫌味を言われ続けてきたせいらしい。


    わたしはそこでハッとした。


    「えーと、もしかして、養父様が生まれる前は次期領主と目されていた年の離れたお姉様、ですか? 養父様が領主となることを恨んでいて、エーレンフェストにいると必ず争いが起こるだろうと危惧した父親によって、他領へと嫁がされることになったのですよね?」


    「……そうだが、妙に詳しいな」


    ……あの手紙の主って、前神殿長の秘密の想い人じゃなかったのか。言いふらさなくてよかった。


    ひっそりと想いを交わす純愛のお手紙ではなく、叔父に愚痴を述べる姪のお手紙だったようだ。


    「前神殿長が大事に保管している手紙の中に、その方からのお手紙があったのです。他領に嫁いでからも交流があったなんて、とても仲が良かったのですね」


    「姉上は母上によく似ていて、叔父上のお気に入りだったからな」


    そんな前神殿長の死亡について、身内である領主ではなく、神殿から連絡があるなんて、と姉からチクチク嫌味を言われたらしい。養父様は領主だし、犯罪が絡んでいるので色々と事情はあったのだろうが、訃報を不精していたのだ。仲が良かった身内からの嫌味の一つや二つは甘んじて受けるしかないだろう。


    「そういうわけで、姉上が夏の終わりに叔父上の墓参りに来るそうだ。叔父上の死亡について知らせてくれた其方にも一言礼を言いたい、と言っていた」


    「わかりました」


    わざわざお礼を言いに来てくれるなんて律儀な人だと思っていると、「全くわかっていないな」と養父様が溜息を吐いて、頭を振った。


    「其方が原因で叔父上が捕えられたことを知れば、あの姉上のことだ。グサグサと心を抉るような嫌味を言うと思うぞ。叔父上を捕えた詳細についてはなるべく黙っているつもりだが、姉上はエーレンフェストに自分の情報網が残っている。知られた場合は、其方も諦めて耐えろ」


    「うぇ!?」


    「期間限定なのが救いだな。姉上はしつこい。一つのことを蒸し返しては同じことを何度も言うのだ」


    律儀な人ではなく、恨みがましくて面倒な人だったらしい。


    そんな面倒が自分の身に降りかかってくるとわかった瞬間、わたしはさぁっと血の気が引いていくのを感じた。


    わたしの顔色が悪くなると、逆に、養父様は道連れにできる仲間を見つけたように顔色が良くなり、ニィッと人の悪い笑みを浮かべる。


    「姉上が嫁いだアーレンスバッハはエーレンフェストより上位の領地だ。機嫌を損ねると領地間の色々が面倒なことになる。くれぐれも気を付けろ」


    ……おおぅ、何だか面倒なことになってしまったようです。


    わたしがガクンと肩を落として、「お話が終わりならば、失礼いたします」と立ち上がろうとしたら、座り直せ、と養父様が手を振った。


    「まだ話は終わっていない。今年の星結びの儀式を機に、フェルディナンドを還俗させたいと思っている。それについて、神殿長である其方の意見を聞きたい」


    「……神殿を潰すおつもりですか?」


    わたしが率直な意見を述べると、お父様が吹き出し、養父様が頭を抱えた。


    「そうではない。其方が一年間神殿長を務めたことで、直轄地の収穫が増えたことは知っているだろう?」


    「はい」


    「領地全体に魔力が足りない今、領主の血族が領地のために動いている様子を見せるのは、民にとっても、貴族にとっても意義は大きい」


    聞こえの良い建前の言葉としか思えないが、「確かにそうですね」とわたしは頷いた。


    「それに、母上が幽閉されて一年だ。もうフェルディナンドを神殿から戻しても文句を言う者はいない。一度還俗させたうえで、其方と同じように領主命令として神官長の職に就かせ、神殿へと送り出そうと思う」


    建前としては完璧だし、神官長として戻してくれるならば文句は言いにくい。けれど、わたしは領主の顔で神官長を還俗させようと言う養父様を軽く睨む。


    「それって、フェルディナンド様をお城でもこき使いたいからという理由ではありませんよね? 今、神官長を取られるのは、非常に困るのです。まだ後進が育っていないので」


    領主の母が捕えられても、神官長を還俗させようという話は今まで聞いたことがなかった。神官長が神殿の仕事にかかりきりで、城に顔を出さなくなったから、慌てて還俗させようと思ったように思える。


    神官長に城での仕事をしてほしいだけではないか、と邪推すると、養父様は一瞬言葉に詰まった。


    「……領主一族として動かせる成人が少ないので、その穴を埋めたいという理由も確かにある」


    「養父様」


    「だが、それ以上に、私はフェルディナンドをこのままの状態にしておきたくはないのだ」


    目を伏せた養父様が「フェルディナンドが神殿にいる理由を知っているか?」と小さく尋ねた。


    神官長から、お母様から、お父様から、前神殿長から、それぞれが話していた中に細切れで入ってきた情報はある。けれど、詳しいことを話してくれる人はいなかった。


    「色々な情報を繋ぎ合わせると、養父様のお母様の嫌がらせから逃れるために神殿に入ったみたいですけれど、詳しくは知りません」


    「おおよそ間違いないな」


    養父様が苦い顔で頷くと、お父様が補足してくれた。


    「昔からフェルディナンドには厳しい人だったが、先代領主が亡くなる少し前から、彼女の悪意はフェルディナンドが命の危険を感じる程になった。フェルディナンドが先代の死を望み、死後には領主の座を狙っているのだ、という主張をしていたのだ」


    被害妄想にも程があるだろう。


    幼い頃からずっと「領主の補佐をしろ」「役立たずは必要ない」と言われ続けて、弱ったところを見せたらやられる、と薬漬けの生活を送ってきた神官長が、そんなに面倒な立場を望むとは思えない。


    「フェルディナンドは愛妾の子で、正妻の子供ではないため、領主にはなれない。そのくらいのこと、母上とてわかっているはずなのに、迫害がどんどんひどくなっていく。父上が亡くなり、私が領主になっても母上は変わらない。二人を離すために、私がフェルディナンドに神殿へ入って逃れるように言ったのだ」


    領主の立場を継いだばかりで、周囲が落ち着かない中、騒動を起こされるのを防ぎたかったそうだ。


    養父様は自分が領主となって、情勢が落ち着けば、母親の勘気も落ち着くと思っていたけれど、養父様の母は、養父様が神官長を城に戻そうとすると猛反対したそうだ。


    「本当はフェルディナンドをこれほど長く神殿に置くつもりはなかった」


    「……養父様の後悔はわかりました。けれど、今、フェルディナンド様は神殿で生き生きと後進の教育をしていますし、薬の服用も減りました。健康面を考えると向上しているので、あまり環境を変えないでほしいのです」


    還俗したことを理由に、お城でこき使われるようになれば元の木阿弥になってしまう。


    わたしが神官長の還俗を渋ると、お父様がクックッと笑いを漏らした。


    「その物言いではどちらが保護者かわからんな」


    「確かに。ローゼマインがフェルディナンドの保護者のようだ」


    養父様も口元を押さえて笑いながら、ちろりとわたしを見る。


    「ローゼマイン、神殿における其方の後見人としても、フェルディナンドは還俗していた方が貴族社会で通りが良い。それに、フェルディナンドが領主の異母弟として神官長の職務に就けば、其方と同じように専属の護衛騎士や文官を付けられる。神殿の仕事も多少は楽になるのではないか?」


    神官長の専属と言えば、エックハルト兄様とユストクスのことだろう。わたしと違って神官長は自ら神殿に入ったので、専属の護衛騎士はつけられないと聞いたことがある。


    「わかりました。一応還俗のお話はしてみますけれど、フェルディナンド様の意思を最優先してくださいね」


    「……あぁ」


    話を終えて、わたしは退室する。


    領主会議を終えて領主夫妻や同行していた者が戻ってきたことで、文官達は忙しそうに動き回り、城の中は活気づいていた。


    領主夫妻が戻ってくれば、わたしはお役御免だ。魔力供給の役目は終了なので、神殿へと戻ることになる。戻ったらすぐに春の成人式があり、夏の洗礼式が行われるのだ。


    次の日、神殿に戻ったわたしは神官長と面会した。もちろん、他の神官達を混乱させないように、神官長の隠し部屋に入ってお話する。


    神官長にはずいぶんと余裕ができているのか、隠し部屋の大きな机の上には変わった色合いの液体が入った瓶があったり、研究成果をまとめた走り書きが散乱していたり、趣味の魔術具研究が進んでいるように見えた。


    いつも通り、わたしが書類を避けて長椅子に座り、神官長は椅子を出して座る。一度視線を合わせると、神官長が促してきた。


    「領主からの話とは何だ?」


    「神官長を還俗させたいそうです」


    わたしが領主との会話をかいつまんで話すと、神官長は「まだ気に病んでいたのか。面倒くさい」と溜息を吐いた。


    「養父様の言った通り、利点は多いと思います」


    「ジルヴェスターが敢えて言わなかった欠点もあるが、な」


    皮肉るように笑うと、神官長は少し眉を寄せて、こめかみをトントンと叩く。


    貴族の立場に戻れるとなれば、大喜びで神殿から出るのが普通の反応だろうが、神官長は「面倒くさい」と言った。神官長の様子があまり還俗するのに積極的ではないように感じて、わたしはグッと拳を握った。


    「……どうされますか? 還俗するのが嫌ならば、わたくし、養父様に進言いたしますけれど」


    「いや、その必要はない。神官長としての立場が変わらないと確約が得られるならば、君にとっての損もないだろうし、領主の決定に異を唱えるのは止めておいた方が良い。それに、ジルヴェスターの言った通り、使える手足は多い方が良いかもしれぬ。……私についていることでエックハルトやユストクスはつまらぬ悪意に晒されているからな」


    淡々と述べられる言葉に眉が寄っていくのを止めることができない。わたしはむむっと一度唇を引き結び、神官長を睨む。


    神官長の言葉に出てくるのは全部他人の事情だ。わたしの損得やエックハルト兄様達の立場はこの際どうでも良い。わたしは神官長が還俗したいのかどうかを聞いているのだ。


    「周囲の損得ではなくて、神官長自身がどう思っているのかを聞いているのですけれど?」


    わたしの言葉に神官長は虚を突かれたように、軽く目を見張った。数回瞬きした後、軽く頭を振る。


    「還俗しようが、しまいが、どうせ城に駆り出されることに変わりはないだろう? ならば、利点の多い方を選択するべきだ」


    わたしとしては、「するべき」ではなく、「したい」という意見が欲しいのだが、これ以上の言葉が神官長から返ってくるとは思えない。「利点の多い方を選択する」というのが神官長の意見ならば、それを尊重しよう。


    「わかりました。還俗するならば、星結びの儀式で貴族達が集まっている時に発表したいそうです。還俗して、領主命令で神官長として神殿に入り、その後は正式にわたくしの後見人になると伺いました」


    ふむふむと聞いていた神官長が、後見人という言葉でちらりとわたしを見て、軽く眉を上げ、唇の端を皮肉っぽく上げた。


    「……君の後見人か。還俗は早まったかもしれぬな」


    「どういう意味ですか? わたくしの後見人という立場は養父様が提示した利点を全て吹き飛ばすほどの欠点だということですか?」


    ふんぬぅ、とわたしが睨むと、神官長は面白がるように金色の目を細めて、フンと鼻で笑った。


    「そういう意味だ。君は次々と想定外の面倒事を持ち込むではないか。ジルヴェスターの補佐と君の後見人、どちらか楽か、難しいところだ」


    悔しいけれど、否定できる要素が一つもない。


    それにしても、わたしって、神官長にとっては養父様と同レベルの困ったちゃんだったのか。初めて知った。……いきなり人の頬を突いて「ぷひっ」と言わせるような人と同じレベルって、ちょっとショックだ。
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